公開: 2023年3月28日
更新: 2023年4月17日
古代の社会では、他者の所有権を侵害する行為である「盗み」は、具体的な所有物だけを問題にしていました。その関係で、具体的な形を持たないもの、例えば、絵画に描かれた画像のデザインなど、は具体的に絵として描かれていなければ、それを盗んだとしても、犯罪とは認められていませんでした。
このような、具体的な形を持たない、デザイン、機械の構造、書きものの内容を示した文書、などは、仮にそれらを盗んで、似たようなものを作成したとしても、犯罪にはならなかったのです。しかし、印刷技術や、同じものを作成する技術が進んだ現代の社会では、それが莫大な富を生み出すため、著作権や特許権などの法的権利で守るようになりました。
しかし、最近までの中国社会のように、他者の創造になるデザインや、発明した機械構造、文書表現、音楽表現などを真似て、売り出すことが問題とはされなかった社会もありました。これは、中国社会が、資本主義化されたとはいえ、他の先進諸国ほどは、資本主義が進んでいなかったため、それらの非物質的な表現やアイデアに対する価値基準がなかったためと思われます。